■激しいプレーの応酬の「90分間」

 試合後の記者会見では、千葉の小林監督も水戸の森直樹監督も同じような言葉を並べた。「強度」「プレス」「セカンドボール」……。

 試合内容は、まさにそうした言葉が示すように、激しいボールの奪い合いが延々と続く90分間だった。そして、そのプレーの激しさは試合終了まで落ちることはなかった。

 千葉は元日本代表のMF田口泰士が中盤でタクトを振るい、ミドルレンジのパスを散らして攻撃のリズムをつくった。しかし、右のイサカ・ゼイン、左の椿直起を生かしたサイド攻撃も水戸がしっかりケアしており、なかなかチャンスをつくれない。

 一方、水戸はボランチの2人、大崎航詩と山崎(※崎は”たつさき”)希一が素晴らしい働きで千葉の攻撃の芽を摘み、そして奪ったボールを前線に供給し続けた。

 山崎は比較的低い位置でバランスを取りながら、こぼれ球を拾いつづけ、一方の大崎は相手ボールに激しく寄せてボールを奪い続けた。そして、大崎は中盤でバトルを続けているかと思えば、自陣深い位置で相手のドリブルを止めた。そして、奪ったボールを自らドリブルで前に運び、パスを使って味方を動かした……。

 大崎は、先日の日本代表の試合で素晴らしいプレーを見せた佐野海舟を思わせるようなプレーぶりだった(さらに、試合終盤にはロングスローまで披露した)。

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