■2002年大会で「放映権料」が10倍に
断っておくが、「大会日程」は発表されているが、どのチームが何日にどこでプレーするか、現時点ではまだ組分けも決まっていない。それどころか、出場48チームのうち、出場が確定しているのは、ホストの3チームを含めても、まだ28チームに過ぎない。その時期ですでに、この状況なのである。
ちなみに、11月18日までの「インターナショナルマッチウイーク」が終了すると、出場決定は42チームとなり、12月5日(=日本時間では6日朝)にワシントンDCのジョン・F・ケネディ・センターで組分け抽選会が行われる。残り6チームは、来年3月の「欧州プレーオフ」(4チーム決定)と、欧州以外の5地域代表が出場する「インターコンチネンタル・プレーオフ」(2チーム決定=開催地未定だが、メキシコが有力視されている)で決まる。
かつてワールドカップは、文字どおり「人類の祭典」だった。入場料収入が大会収益の大きな部分を占めていた時代にも、チケット代は国内リーグの入場料に毛が生えた程度だった。「テレビ時代」に突入した1970年代以降も、30年間近く、世界の大衆は「無料放送」で試合を楽しむことができた。
1980年代には巨額スポンサー契約が大会を支え、FIFAは大きな収益をつかむことになる。そして2002年大会で放映権料が一挙に10倍となり、「無料放送」の時代が終わる。視聴契約を結ばなければ見ることができない「ペイTV放送」の時代に入るのである。同時にチケット代もうなぎ昇りに上がっていく。ワールドカップは「高嶺の花」となり、スタジアムで試合を見ることだけでなく、テレビで楽しむことも、大衆にとっては多額の出費を伴うものとなってしまったのである。