■「4つの攻撃パターンを持ってスタート」

林 前半試合開始は1-3-4-3 狙いがうまくいっているときもありましたが、より安定を優先にして1-4-2-3-1へのシステム変更をして、最終ラインを3枚でボール回していたのを4枚回しに変えました。

――磐田戦での攻撃に関しては、どんな指示を出していたんですか?

林 渡邊新太がPKを決めて1点を返しましたが、あのPKを得るまでのサイドでのやり方を指示しました。サイドの選手が高い位置をとって攻撃することで、相手が上がってこられなくなり、低い位置で守備に回ることになります。

 いくつかの攻撃パターンがあって、それをゲームのどこでやるのかを10分おきに検証しています。

 総合的にはAからDの4つのパターンを持ってスタートします。相手チームの出方によってパターンを変えていきます。10分おきに、その中身を検証していくんです。

――攻撃と守備の担当コーチが違った場合、いくつかの疑問点が出てくるんですが…。たとえば、監督が攻撃と守備を担当した場合、「1-4-4-2」のシステムだとすれば、システムに沿った攻撃であり、システムに沿った守備であると思うんです。でも水戸は、攻撃と守備のコーチが違っているので、森監督が3バックでスタートしたいと考えていたとしますよね。それに対して攻撃担当の林コーチは4バックを予定した攻撃の組み立てをしていたとします。そうしたときは、どうするんですか?

林 監督とすり合わせますよね。相手チームがあっての攻撃であり、守備なわけです。だから自分が立てた攻撃プランを持って、守備のプランを聞いて形を作って行きます。また、どんなメンバーを監督は選ぶのかにもよります。
 最終ラインでボールを3人で回すよりも、4人で回したほうがいいと考えたら、ゲーム中にボランチを下ろしたり、サイドのどちらかを残したりして、おこないたい攻撃の形にもっていきます。

――では、今シーズンの水戸ホーリーホックは、昨年と何が変わったのでしょうか?

(2)へ続く
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