■パラグアイが固めた「中央での守備」
そして、10月シリーズに入ると、日本代表はまずパラグアイと対戦した。そして、パラグアイも「日本対策」を講じてきた。あえて両サイドで勝負することを避けたのだ。2列目にはインサイドハーフ・タイプを並べ、SBもそれほど攻撃に上がってこない。その結果、日本の両WBは攻撃に集中できた。
右の伊東純也、左の中村敬斗が気持ちよくドリブル攻撃を仕掛けた。
だが、パラグアイは中央の守備を固めてきた。南米大陸にあって、強固な守備を武器にブラジルやアルゼンチンに対抗してきたパラグアイには中央での守備には自信があった。その、自らの「ストロングポイント」を生かして、日本の攻撃を封じようとしたのだ。
その結果、日本のサイドからのクロスはことごとく跳ね返されてしまった。
日本は、そのパラグアイの強力な守備を相手に2ゴールを決めることに成功したが、1点目はハイプレスで奪ったボールを小川航基が持ち前のシュート技術を生かして決めたもの。そして、後半アディショナルタイムの上田綺世のゴールは、FKからのこぼれ球がつながり、伊東が入れたクロスによるものだった。
CFの個人能力によって得点できたのは素晴らしかったが、日本の本来の武器であるはずのサイド攻撃からの攻めでは得点は生まれなかった。