
【JリーグYBCルヴァンカップ プライムラウンド 準決勝 第2戦 柏レイソルvs川崎フロンターレ 2025年10月12日(日)16:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)
■2点を追う柏「試合はまさかのスタートに」
8日に行われた等々力での第1戦、川崎が3-1で勝利した試合後の記者会見で、柏のリカルド・ロドリゲス監督は「ホームでサポーターの力を借りながら逆転したい」と語っていた。
そして迎えた運命の2戦目、ここまでチームやサポーターが悔しいときに自ら先頭を歩いて鼓舞することで士気を高め続けてきた指揮官は、その言葉通り、いきなりスタジアムの熱を高める行動に出た。
選手入場の直前、いつもより早く姿を表すと、ベンチに座らずにそのまま一気にサポーターのもとへ。全身でスタンドを煽ると、呼応した日立台は異様なボルテージに包まれた。
その雰囲気の中で2点を追う柏が一気に襲い掛かるかと思いきや、試合はまさかのスタートになった。
キックオフからわずか3分、絶好調を維持している伊藤達哉の仕掛けで川崎がゴールに迫ると、キャプテンの脇坂泰斗のシュートが決まった。
これで3点差となり、柏は早いタイミングでスクランブル態勢に移るかどうかの選択を迫られることになった。
しかし、彼らは今シーズンここまで築き上げてきた戦い方への自信を失うことなく、いつもの戦い方を継続。
この大一番でスタメンに抜擢された東洋大在学中の特別指定選手・山之内佑成も堂々たるプレーぶりで柏の戦い方を支えてみせる。
リカルド・ロドリゲス監督は絶え間なく指示を与えて細かく修正しながら、タイミングを見てサポーターを鼓舞し、スタジアムに不安を生じさせない。
一方で、長谷部茂利監督率いる川崎も、雰囲気に飲み込まれることなく冷静に柏の修正に対応。ボールを持たれることを嫌がることなく、エリソン、マルシーニョ、伊藤の強力な個でとどめの一刺しを狙う。
26分に垣田裕暉のゴールが生まれると柏の勢いが増したものの、川崎が自陣で粘り続け、そのまま1-1で前半が終了しようとしていた。
しかし、ハーフタイム直前に、その後の展開を左右することになる場面が発生。ファンウェルメスケルケン際の足裏でのタックルに、レッドカードの可能性でVARが介入。
OFR(オンフィールドレビュー)の結果、イエローカード止まりとなったが、終わってみればこれがターニングポイントだった。