画像・写真:奏功した日本代表FWの投入タイミング!「誰も、何もあきらめることなく、信じてプレーしてくれた」柏ロドリゲス監督が誇った日立台での“歴史的”逆転勝利【柏レイソルvs川崎フロンターレ】激闘PHOTOギャラリー 原壮史 柏レイソル 川崎フロンターレ Jリーグ 2025.10.15 8日に行われた等々力での1戦目、川崎が3ー1で勝利した試合後の記者会見で、柏のリカルド・ロドリゲス監督は「ホームでサポーターの力を借りながら逆転したい」と語っていた。 そして迎えた運命の2戦目、ここまでチームやサポーターが悔しいときに自ら先頭を歩いて鼓舞することで士気を高め続けてきた指揮官は、その言葉通り、いきなりスタジアムの熱を高める行動に出た。選手入場の直前、いつもより早く姿を表すと、ベンチに座らずにそのまま一気にサポーターのもとへ。全身でスタンドを煽ると、呼応した日立台は異様なボルテージに包まれた。 (20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) その雰囲気の中で2点を追う柏が一気に襲い掛かるかと思いきや、試合はまさかのスタートとなった。キックオフからわずか3分、絶好調を維持している伊藤達哉の仕掛けで川崎がゴールに迫ると、キャプテンの脇坂泰斗(写真)のシュートが決まった。(20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) これで3点差となり、柏は早いタイミングでスクランブル態勢に移るかどうかの選択を迫られることになった。 しかし、彼らは今シーズンここまで築き上げてきた戦い方への自信を失うことなく、いつもの戦い方を継続。この大一番でスタメンに抜擢された東洋大在学中の特別指定選手・山之内佑成も堂々たるプレーで柏の戦い方を支えてみせる。リカルド・ロドリゲス監督は絶え間なく指示を与えて細かく修正しながら、タイミングを見てサポーターを鼓舞し、スタジアムに不安を生じさせない。 一方で、長谷部茂利監督率いる川崎も雰囲気に飲み込まれることなく冷静に柏の修正に対応。ボールを持たれることを嫌がることなく、エリソン、マルシーニョ、伊藤の強力な個でとどめの一刺しを狙う。(20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) 26分に垣田裕暉(写真)のゴールが生まれると柏の勢いが増したものの、川崎が自陣で粘り続け、そのまま1ー1で前半が終了しようとしていた。 しかし、ハーフタイム直前にその後の展開を左右することになる場面が発生。ファンウェルメスケルケン際の足裏でのタックルに、レッドカードの可能性でVARが介入。OFRの結果、イエローカード止まりとなったが、終わってみればこれが分水嶺だった。 (20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) 11人同士で後半が始まることになると、柏はハーフタイムに3枚替え。「逆転勝利のためにもう少し攻撃的に出たかった」という指揮官は、後半途中で垣田を細谷真大に交代するというふだんのやり方を前倒しで実行。ディフェンスラインには古賀太陽と原田亘を投入し、カウンターに個で対応することも想定しながらゴールを目指すというバランスに移行した。 指揮官とともに築き上げてきた、リスクを取ることができる強い自信のもと、仕掛け、プレス、セカンドボールの回収、クイックリスタート、カウンターの阻止など、柏の選手たちは高い集中力でやるべきことを繰り返し続ける。 すると54分、ロスト、プレスバック、ワンタッチパス、パスカット、と中盤でボールの落ち着きがなくなるタイミングが発生し、最終的に柏が前を向いて細谷へのパスを通すと、フィリップ・ウレモヴィッチが後ろから倒してファウルに。 CBの間を抜け出してゴールに向かっていたため、DOGSOの対象としてVARが介入すると、OFRを経てレッドカードの判定となった。 (20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) 試合前には「絶対に受けるな、という話をしていた」(山本悠樹)という川崎だったが、前半のうちに10人になっていればハーフタイムを意思統一のための時間にできたものの、後半の早い時間に10人に減ってしまったことで「そこから受けてしまってゲームが非常に難しくなった」(試合後、長谷部監督)という状態になった。 攻撃側としては、10人になったチームに守りを固められると11人を相手にしていたときよりも難しくなるケースは珍しくなく、柏は前半終了間際のあのタイミングで川崎が10人になったほうがイレギュラーかつ厄介な展開になっただろう。(20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) 佐々木旭の奮闘をはじめ、川崎がなんとか凌いでいたが、73分に仲間隼人のゴールが生まれてとうとう1点差となると、そこからは日立台のお祭りの時間に。 77分に細谷が同点となるゴールを決めると、11分と表示されたアディショナルタイムに入ってすぐの90+2分、またしても細谷が決めてついに逆転。 (20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) リーグ戦での4ー4というド派手な引き分けから、この準決勝でも2戦合計で4ー4となるスコアまで来ていた大激戦は、柏の大逆転劇という形でついに決着のときを迎えた。 日立台を大熱狂に包みこんでみせたリカルド・ロドリゲス監督は「歴史に残る、多くの人の記憶にも残る素晴らしい逆転勝利をすることができてとても嬉しい」と喜びを語るとともに、「誰も、何もあきらめることなく、信じてプレーしてくれた」と、自分のチームを誇った。(20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) 今年のルヴァン杯決勝は柏レイソルvsサンフレッチェ広島となった。試合は11月1日に国立競技場で行われる。(20251012)撮影/原壮史(Sony α1使用) 写真の記事へ戻る