■「東西南北」が分からない!

 ハリスコ・スタジアムは大きなスタジアムでしたが、とてもシンプルな構造でした。2層式のスタンドはメインもバックも両ゴール裏もすべて同じ高さで、屋根も全面同じような構造。

 そのため、スタジアム内では東西南北の方向性が分からず、メインスタンドとバックスタンドの区別がつかないこともありました。ヨーロッパでのテレビ中継のために正午キックオフの試合が多く、しかも緯度の低い(赤道に近い)メキシコでは、太陽は真上に来るので太陽を見ても方向が分かりづらいのです。

 ただ、2層式の記者席からはピッチ全体を見下ろすことができるので、非常に試合が見やすかったのです。アステカ・スタジアムはあまりにも巨大でしたが、ハリスコはコンパクトで雰囲気が良かったように思います。

 また、標高2300メートルほどのメキシコ市は空気(酸素濃度)が薄く、そのせいで自動車のエンジンが不完全燃焼するために大気汚染が激しかったのですが、グアダラハラは標高が1600メートルほどで、空気もずっときれいで過ごしやすい気候でした。

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