後藤健生の「蹴球放浪記」第284回「人生ベストゲームと出会ったスタジアム」の巻(2)日本が「銅メダルを獲得した」スタジアムよりも行ってみたい北中米W杯で「使われない」スタジアムの画像
メキシコ市からグアダラハラへの夜行バスの乗車券。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、これまで多くの試合を観戦してきた。その中でも「忘れられない」最高の試合が、1つある。その甘美な思い出は来年、北中米ワールドカップが開催されるメキシコの、ある州都のスタジアムとつながっている。

ブラジル代表の「ホーム」

 メキシコ大会のメイン・スタジアムは、どちらの大会もアステカでした。

 1970年ワールドカップのために建設された11万人以上を収容する巨大スタジアムで、1968年のメキシコ・オリンピックでも使用され、日本代表が銅メダルを獲得したのもアステカでのことでした。

 一方、ハリスコは当時の収容力は6万6000人ほどで、アステカに次ぐ2番目の大きさのスタジアムでした。そして、ハリスコは2度のメキシコ大会ではブラジルのホームとなり、1970年大会決勝(アステカ)以外ブラジルは全試合をハリスコで戦い、グアダラハラの人たちもブラジルを自分たちのチームとして応戦し続けました。

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