
蹴球放浪家・後藤健生は、これまで多くの試合を観戦してきた。その中でも「忘れられない」最高の試合が、1つある。その甘美な思い出は来年、北中米ワールドカップが開催されるメキシコの、ある州都のスタジアムとつながっている。
■ブラジル代表の「ホーム」
メキシコ大会のメイン・スタジアムは、どちらの大会もアステカでした。
1970年ワールドカップのために建設された11万人以上を収容する巨大スタジアムで、1968年のメキシコ・オリンピックでも使用され、日本代表が銅メダルを獲得したのもアステカでのことでした。
一方、ハリスコは当時の収容力は6万6000人ほどで、アステカに次ぐ2番目の大きさのスタジアムでした。そして、ハリスコは2度のメキシコ大会ではブラジルのホームとなり、1970年大会決勝(アステカ)以外ブラジルは全試合をハリスコで戦い、グアダラハラの人たちもブラジルを自分たちのチームとして応戦し続けました。