■嫌が応にも「ライバル心」が過熱する

 さて、ルヴァンカップの「浦和×川崎」では、両クラブのサポーターも熱くなった。通常のリーグ戦では勝点3を取ることが第一で、相手は首位チームであろうと最下位であろうと、1試合で得られる勝点は3であることに変わりはない。だから個々の試合では目の前の対戦相手が「ライバル」だが、終われば次の対戦相手へと気持ちが向かっていく。

 ところが、「2レグ制」では同じ相手との連戦になり、ライバル心は嫌が応にも盛り上がる。実際、埼スタでの第1戦では、水曜日だったこともあり、入場者数は1万9767人と低調だった。しかし等々力での第2戦は「超満員」と言っていい2万3214人が詰めかけた。

 この試合は川崎にとって今季のルヴァンカップのホーム第1戦だったが、すでに14試合をこなしたJ1リーグの平均入場者数(2万1868人)を大きく上回り、第23節(7月5日)の鹿島アントラーズ戦(2万3675人)に次ぐものだったのだ。もちろん、南側スタンドを埋め尽くし、川崎のサポーターを圧倒する声を上げ続けた浦和サポーターの「貢献」が大きかった。

 これを通常のリーグ戦にも適用すれば、もっと盛り上がるのではないかと考えた人がいる。アメリカのメジャーリーグベースボールやプロバスケットボールにヒントを得て、リーグ戦でも1カードのホームとアウェイを連続させて行ったら、もっと関心が高まるのではないかと考えたのだ。Jリーグでも一時期、真剣に検討された。

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