■課題は「シュート精度」だけじゃない

 前半は、多くのチャンスをつくってはいたのだから、課題はシュート精度の問題ということになる。

 だが、前半も時間の経過とともに次第に決定機は減っていく。そして、後半はメキシコが反撃に出る場面も増え、日本のチャンスは前半に比べてかなり少なくなった。

 メキシコがイルビング・ロサーノ投入以後、ピッチを上げたこともあるが、日本の重心が下がって、攻撃的選手たちのプレーゾーンがゴールから遠くなってしまったのが気になるところだった。

 日本のウィングバック(堂安、三笘薫)は、相手のSBをタイトにマークして無力化していたが、その分、上下動が多くなり、あまりにも守備にエネルギーを割きすぎた。2シャドー(久保、南野拓実)は相手のCBやGKにプレッシャーをかけ続けるばかりか、プレスバックして自陣深くで守備をする場面もあった。

 もちろん、彼らの守備面での貢献があったからこそ、日本がゲームを支配できたのだ。

 しかし、その分、攻撃の局面でもプレーゾーンを上げられなくなってしまった。

(3)へ続く
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