■縦パスのカットから千葉が先制
後半開始から間もない47分、大宮CB市原の縦パスを田口がカットする。田口はすぐ近くにいた椿へボールをあずけると、左サイドへ出ていく。相手右SB茂木力也が攻め上がっていたため、ぽっかりとスペースが空いていたのだ。カウンターのシチュエーションである。田口はペナルティエリアの延長線上付近まで持ち込むと、ライナー性のクロスをゴール前へ供給する。
これに合わせたのはFWカルリーニョス・ジュニオだ。ブラジル人アタッカーは市原の背中から前へポジションを移し、ヘディングシュートを放つ。相手GK笠原昂史の頭上を破った一撃が、バーを叩いてネットを揺らしたのだった。
カルリーニョス・ジュニオは174センチのサイズだが、ジャンプのタイミングが巧みでヘディングシュートの決定率が高い。田口のピンポイントクロスとカルリーニョス・ジュニオの決定力がシンクロした先制弾は、千葉からすれば想定していた得点パターンのひとつと言っていい。そして、そのきっかけとなった縦パスのカットは、前半から狙っていたものである。
その後も千葉は追加点のチャンスを作り出すが、2点目を奪うことはできない。ホームのRB大宮は交代カードを切り、前線にパワーを注いでくる。千葉陣内での攻防が長くなっていった。







