選手とファン無視「2026年北中米ワールドカップ」の大問題(2)テレビ放映で決まる「人道無視」のキックオフ時刻、ブラジル「全勝優勝」の知られざる背景の画像
大型ミスト扇風機が用意されようとも、猛暑の白昼キックオフの試合が快適であるわけがない。パリ・サンジェルマンのルイス・エンリケ監督も渋い顔。撮影/原悦生(Sony α1使用)

 来年2026年に北中米で行われるワールドカップ開催まで、すでに1年を切った。世界中のサッカーファンが楽しみにしている大会だが、すでに問題点が浮上している。世界最高の大会にするために、クリアすべき「大問題」とは? サッカージャーナリスト大住良之が緊急提言!

■17時以降のキックオフは「半数以下」

 だが、このクラブ・ワールドカップで明らかになった最も重大な問題は、キックオフの時刻だったのではないか。今大会の会場は、南はフロリダ州から北は大西洋岸のワシントン州まで広がり、気候もさまざまだったが、夏であることには変わりない。にもかかわらず、17時以降にキックオフされた試合は全試合(63試合)の半数以下の27試合。21試合が午後2時から4時キックオフの試合であり、正午キックオフの試合も15あった。

 なぜ、こんなことになるのか。テレビ放映(今大会はDAZNが全放映権を取り、国によってテレビにも販売したが)の関係である。サッカーの世界的大会で最も多くの放映権収入を生むのが欧州各国。なかでも、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアといった「サッカー大国」が、サッカー放送にかける金額でも世界をリードしている。

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