■欧州の放送局に「高く売れる」時間帯
アメリカでの大会は、東西に会場が広がっており、西と東では3時間もの時差があって複雑だが、欧州とは5時間から9時間の時差がある。たとえば、クラブ・ワールドカップが行われたニュージャージー州イーストラザフォードのキックオフ時間が15時ということは、ロンドンでは20時(午後8時)、パリでは21時(午後)9時と、まさに「ゴールデンタイム」なのだ。
要するに、欧州の放送局に高く売ることができる時間帯にキックオフタイムを設定しているのである。だから酷暑のフロリダ、オーランドで、12時キックオフなどという「人道無視」のキックオフタイム(6月21日、C組のベンフィカ=ポルトガル×オークランド・シティ=ニュージーランド)が組まれるのである。もっともこの試合は、暑さではなく、落雷の危険で後半開始が2時間も遅れるという形になってしまったのだが…。
これまで、南北のアメリカ大陸ではワールドカップが8回開催されている。そのうち5大会は南米での開催で、ワールドカップが「テレビ時代」になった以降では、アルゼンチン(1978年大会)とブラジル(2014年大会)の2大会だけだが、季節としては「冬」にあたり、早い時刻のキックオフでも問題はなかった。