■「本当に不思議」なアルゼンチン
だが、その死後、マオの実態が明らかになります。農民革命に成功して1949年に中華人民共和国を建国したマオでしたが、1950年には「大躍進政策」を推し進めますが、現実から遊離したもので中国を大混乱に陥れて数百万人が餓死する事態を引き起こします。
そして、その後、劉少奇や周恩来といった実務家たちが経済を立て直したものの、彼らから権力を取り戻すために「紅衛兵」と称する少年たちを動員して、再び中国を大混乱に陥れたのが文化大革命でした。犠牲者は数千万人に及びました。
その実態が知れ渡るとともに「マオ」は革命のシンボルとは見なされないようになっていきます。
「チェ」と並んで、その後、世界のサッカー場で革命のシンボルとして扱われるようになったのは「ディエゴ」でした。そう、ブエノスアイレス近郊の貧民街の一つ「ビシャ・フィオリート」に生まれ、世界のサッカーシーンを席巻した後も、既成の体制に楯突きつづけたディエゴ・アルマンド・マラドーナです。
それにしても、南米大陸南端にありながら、「チェ」や「ディエゴ」だけでなく数多くの世界的に知らぬ人のない超有名人を数多く輩出しているのですから、アルゼンチンというのは本当に不思議な国です。









