■J1昇格プレーオフ圏は勝点「65」がノルマか

 J2リーグはすでに折り返しを過ぎ、残り試合は「15」となっている。ここからアクセルを踏み込めるかどうかが、各チームの命運を分ける。

 現在首位の水戸ホーリーホックは、ここまで勝点48をマークしている。昇格ラインと言われる「試合の2倍の勝点」をクリアしている。

 残り15試合で勝点「28」を積み上げると、全38試合の2倍の「76」に到達する。勝敗で表わすと9勝1分5敗だ。現在の水戸にとって、難しい数字ではないだろう。

 ちなみに、過去5シーズンのデータでは、23節終了時点で首位のチームは80パーセントの確率でJ1に昇格している。23年までは全42試合で争われたため、データの確度は少し落ちてしまうかもしれないが、水戸にとっては今後への支えになる数字と言える。

 過去5シーズンの23節終了時点で2位のチームの、その後はどうだろう。21年のジュビロ磐田(最終的に1位)、22年のアルビレックス新潟(同1位)、24年の横浜FC(同2位)の3チームが、J1に自動昇格している。J1自動昇格を逃した2チームも、J1昇格プレーオフ圏の6位以内は確保している。2位でリーグ再開を迎えるジェフユナイテッド千葉には、頼もしいデータと言えるかもしれない。

 それでは、J1自動昇格圏の3位から6位以内を確保するには、どれぐらいの勝点が必要なのだろう。

 昨シーズン6位の仙台は、勝点64だった。全42試合だった23年シーズンまでを見ると、23年6位の千葉は勝点67、22年6位の山形は勝点64、21年6位の新潟は勝点68、20年6位の磐田は勝点63となっている。平均勝点は65・2だ。65以上がひとつの目安と考えていいだろう。

 現在5位のRB大宮アルディージャ、6位の徳島ヴォルティス、7位のジュビロ磐田、8位のV・ファーレン長崎は、いずれも勝点38だ。勝点65までは残り「27」で、9勝6敗ペースである。もちろん、狙うのは6位ではなくJ1自動昇格であり、プレーオフ出場ならひとつでも上の順位で戦いたいから、当事者たちは9勝などでは足りないと考えているはずだ。

 ノルマが厳しくなるのは9位以下だ。

 勝点32で9位のヴァンフォーレ甲府は、勝点33の上積みで勝点65となる。11勝4敗というハイペースだ。10勝3分2敗などでもOKだが、どのパターンでもほとんど負けられず、勝ち切っていかなければならない。

 勝点31のFC今治(10位)と北海道コンサドーレ札幌(11位)は、残り15試合で11勝1分3敗の成績を残すことが必要だ。こちらも、ほとんどの試合で勝ち切ることが必要となる。

 昨シーズン4位の山形は、23節終了時点の勝点が29だった。しかし、残り15試合で12勝1分2敗の成績を残し、勝点37を積み上げて勝点66とした。甲府や今治、札幌に課せられたノルマは厳しいが、チャンスがないわけではない。

 J2残留争いは、試合数と同じ勝点38がノルマとなる。勝点40に乗せれば、J3降格のリスクはかなり軽減される。降格圏の18位の熊本、19位の山口、20位の愛媛に加えて、熊本と勝点3差のブラウブリッツ秋田、勝点2差の山形、勝点1差のカターレ富山の6チームまでは、すでに「負けたら終わり」のトーナメント戦のような状況と言ってもいい。ここからは毎試合が決勝戦だ。

  1. 1
  2. 2