■「重要な方向性」を見失っている?

 私は、イングランドという国の人々は、入場券の高騰などに戸惑いながらもプレミアリーグの繁栄を喜び、「世界最高峰のリーグ」と自他ともに認めることを、ただただ誇りに思っているのではないかと考えていた。しかし、サッカーという文化を真剣に考え、サッカーを一部の投資家などから自分たちの手に取り戻そうという人々もいることを知って、大いに力づけられる思いがした。

 この新法がきちん実施に移されれば、間違いなくイングランド・サッカーの「革命」となる。財政面で膨張する一方だったプレミアリーグは、大きな岐路に立たされていると言える。

 Jリーグは欧州のトップリーグに追いつくべく、ビジネスを広げ、クラブが欧州に対抗できる財力をつけることを求めている。しかし、そうした中、ファン、サポーターを重要な仲間とし、「サッカーという文化」をもっともっと広め、深めるという重要な方向性を見失っているのではないかと感じるときが少なくない。

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