■3連勝後の「7試合」で勝ったのは台湾戦だけ
ただ、E-1選手権の中国戦はニールセン監督就任以来、すでに10試合目となる(その他、コロンビアとのトレーニングマッチが1試合)。ニールセン監督の采配からは、本来のそれとは違うポジションでの起用で驚かせることはあっても、まだチームが目指すべきグランド・デザインは見えてきていない。
「ボールを保持して攻守にアグレッシブなサッカー」を目指すと言うが、それではあまりにも抽象的あるいは理念的な概念だ。「アグレッシブな試合をしたい」、「自分たちでボールを動かすサッカーをしたい」というのは、おそらく世界中のすべての監督が抱いている理想だろう。
だが、それを実行することはとても難しい。そういうサッカーをどうやって実現するかを指導者たちは競い合っているのだ。だが、そのあたりについてニールセン監督は多くを語ろうとしない。
2月の「SheBelievesCup」では、オーストラリア、コロンビア、アメリカに3連勝と華々しいスタートを切ったものの、その後の7試合で勝利したのは格下の台湾戦だけだ。強豪ブラジル、スペインとのアウェイ戦での敗戦は仕方がないとしても、欧州組抜きとはいえ、韓国、中国にも勝利することができなかった。
ニールセン監督は「まだテスト段階だ」と言う。その口ぶりからは、テストの期間はまだ当分は続くように思える。だが、いつまでもそれでいいとは思えない。
そろそろ、1回くらいは本気で勝ちに行く采配を見せてほしいものである。