■相馬勇紀が語る「W杯は別物」

 相馬にしても、第2次森保ジャパンでは入ったり入らなかったりの繰り返し。Jリーグに復帰した2024年夏以降は声がかからなくなり、強い危機感を抱いていたに違いない。
「自分が呼ばれるのは、薫(三笘=ブライトン)や大然(前田=セルティック)とかがケガで来られない時」と彼自身も悔しさ半分に話していたことがあったが、そういう扱いから抜け出すのは至難の業だ。
 今大会では香港戦のジャーメインの2点、韓国戦の1点と合計3アシストを見せ、「相馬ここにあり」を再認識させた格好だが、本人は2度目のW杯行きはまだまだ遠いと感じているという。
「前回E-1から上がって、W杯に関わらせてもらったんすけど、本当に『別物な大会』だというくらいに思っている。戦い方というか、相手の来る感じも違うし、相手がもっと足出してくる分、入れ替わりやすさもありつつ、引っかかったりするシーンも増えてくる。そいう違いがあるんです。
 今日の結果はすごい嬉しいし、ポジティブに考えていますけど、自分にはそのレベルの経験もある。それを忘れずにやりたいです」
 この相馬の発言は非常に大きな意味がある。E-1で香港・中国・韓国の東アジア勢を凌駕できたとしても、すぐさま欧州や南米、アフリカ勢と互角以上に渡り合えるとは限らない。そういう経験値をJリーグにいる選手はなかなか積み上げることはできないが、海外組は多種多様な国からやってきた面々と日常的に対峙し、駆け引きに磨きをかけられる。だからこそ、森保監督は海外組重視のメンバー選考をしているのだ。

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