
東アジアのサッカー最強国を決めるE-1選手権は、最終節を残すのみとなった。日本代表は第2戦で、中国代表に2-0で勝利。初戦の6-1と比べるとゴール数は少なかったが、失点ゼロで勝ち切った。中国戦で勝利した「要因」と韓国戦までに必要な「修正」、そして、警戒すべき「キーパーソン」などを、現地取材を続けるサッカージャーナリスト後藤健生が徹底分析!
■取れなかった「攻撃面の連係」
2対0で勝利したものの、中国との第2戦は日本にとって非常に難しいゲームとなった。
なにしろ、攻撃面での連係が取れなかったのだ。
一緒にプレーしたことのない選手が多かったのだから、当然と言えば当然のことだ。集合後、数回のトレーニングを通じて“すり合わせ”は行われたはずだが、やはり実戦を経ないとコンビネーションはつくれない。それでも、経験が豊富な選手同士ならチームとして戦えるだろうが、先発の11人は長友佑都や植田直通を除いて若くて経験の少ない選手ばかり。自らのストロングポイントを発揮するだけで精いっぱいだった。
ほんの一例ではあるが、後半にこんなプレーがあった。
後半からピッチに立った稲垣祥が左サイドの俵積田晃太を使おうと前のスペースにパスを出したのだが、俵積田は反応できずにボールはタッチを割ってしまった。稲垣としてはドリブラーである俵積田がプレーしやすいように前のスペースにパスを送ったつもりなのだろうが、俵積田はどちらかというとボールを足元に置いてからドリブルに移るのを好む。
互いのプレーの癖が分かっていれば、こんなミスは起こらないはずだ。
そんな事象が、ピッチ上のあちこちで起こっていた。