■「力を発揮できない」慣れない選手
ボリビアの事実上の首都ラパスは、4000メートルの高原にある盆地の中に発展した都市です。最も標高が低い谷底が都心になっており、高層ビルが立ち並んでいます。そして、最大のスタジアムもそこに建設されているのですが、それでも標高は3600メートル。富士山の頂上付近に当たります。
しかも、最近はそのエスタディオ・オリンピコではなく、4000メートルの地にあるアルテ・プラーノのスタジアムを使うこともあるようです。ホームの利を最大限に生かすためです。高地に慣れていない選手は、力を発揮できないわけです。
空気(酸素分圧)が少なく、紫外線量が多い過酷な土地なのですが、そこに生まれ、そこで生活している原住民であるケチュア人やアイマラ人にとってはそこが故郷です。
空気が薄く、紫外線が強い所で何世代も暮らし続けているケチュア人やアイマラン人を見ると、たしかに胸板は厚く、いかにも肺活量が多そうですし、顔は紫外線のせいでみな真っ赤に日焼けしています。
いや、日系人でもボリビア生まれの人にとっては、ラパスの薄い空気のほうが暮らしやすいようで、東京のねっとりした空気は耐えがたいようです。