
日本各地で「梅雨明け」が続いている。今年の夏も、厳しい暑さになることが予想されるが、暑さとともに気になるのが「紫外線」だ。炎天下でも試合があるサッカー選手たちは、紫外線とどう付き合っているのか? そして、蹴球放浪家・後藤健生が考える、サッカーをするうえで地球上で一番、厳しい紫外線にさらされる場所とは?
■日本の比ではない「中東」の日差し
中東諸国の日差しの強さは、日本の夏の比ではありません。
緯度の低い(赤道に近い)場所では、太陽の角度が北緯35度ほどの日本よりずっと高くなります。北回帰線(北緯23度26分)と南回帰線(南緯23度26分)の間では太陽が真上(90度)の位置まで達することもあります。
つまり、太陽光はあまり空気に遮られずに地上に達するわけです。
もう一つ、紫外線量の違いをもたらすのが標高です。
ここまで読み進めていてくださった読者の方には、もう説明はいらないでしょう。標高が高ければ地表までの空気の層は薄くなります。しかも、高地では気圧が低く、空気自体が薄いのです。従って、太陽光は空気に拡散されることなく、そのまま地表に到達します。
2つの要素、緯度と標高。この2つを考え合わせると、「赤道に近くて標高が高いところ」こそが、地球上で最も紫外線が強い場所ということになります。