■「冬のスポーツ」だったフットボール
しかも、フットボールというのは19世紀には「冬のスポーツ」だった。夏はクリケットを行い、冬はフットボールというのが英国人の風習だった。
それなのにサッカーもラグビーも、商業主義の発達とともにシーズンが拡大。「秋春制」といっても、シーズンは夏の後半の8月に始まって、初夏の5月、6月に終了となる。そして、今や、5月から9月は「夏」と呼ぶべきものになってしまったのだ。
サッカーという19世紀生まれの素晴らしいスポーツを、これからも持続可能なものにしていくには(ピッチ上で亡くなる選手を出さないためには)、ルールを変えるか、シーズン制を変えるしかないのではないだろうか? あるいは、夏の間は少人数制で交代自由なミニ・フットボール。秋冬の気温が低い期間は従来通りの11人制サッカーというふうに、夏と冬で別のルールを採用するべきか……。
ワールドカップは北半球が夏を迎える6月から7月にかけて開催されてきた。だが、夏場の気候がこれだけ厳しいものになってきたのだから、今後は開催期間を変更すべきではないだろうか?