■新加入の2選手が決勝点に絡む

 0対0で迎えた後半アディショナルタイムの90+3分だった。敵陣右サイドで直接FKを得た仙台は、MF鎌田大夢がペナルティエリア内左へクロスを供給する。このボールを189センチの中田が折り返すと、荒木がニアサイドで反応する。ゴール方面へ残ったボールを、途中出場のFW小林心が身体ごとプッシュした。

 小林は6月の特別登録期間に、J3の高知ユナイテッドSCから加入したストライカーだ。J3でランキング首位の10ゴールを記録し、仙台へのステップアップを果たした。空中戦に競り勝った中田は、阪南大学在学中の特別指定選手である。どちらも19節から途中出場のカードとして起用され、出場3試合目で結果を残したのだった。

 このまま1対0で逃げ切った仙台は、勝点40として2位に浮上した。1位は勝点42の水戸ホーリーホックで、3位は勝点38のジェフユナイテッド千葉、4位は勝点38のRB大宮アルディージャ、5位は勝点37の徳島ヴォルティスである。仙台に敗れた磐田は、勝点35のままで6位だ。

 前半戦を終えてV・ファーレン長崎モンテディオ山形が監督交代に踏み切ったが、J3降格圏に沈むレノファ山口FCも体制を刷新している。志垣良監督との契約を解除し、中山元気コーチを監督に昇格させた。今シーズンの監督交代は5チーム目だ。

 7月7日には夏の移籍ウインドーが開く。6月の特別登録期間でCBとストライカーを獲得した北海道コンサドーレ札幌は、6月の3試合で2勝1分と結果を残している。首位を走る水戸、3位の千葉、4位のRB大宮、6位の磐田らも、戦力アップにつながる補強へ動いた。

 チーム浮上のために、いつ、どのように、動くのか。フロントの判断が日々問われている。

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