■両親から受け継いだ「愛国心」
当然、スペイン代表を目指す道はあった。しかし、ハキミは家族とはモロッコ方言のアラビア語で話し、サッカーではスペイン語を使う。両親が大事にしたモロッコへの愛国心を受け継ぎ、幼い頃からモロッコの人々のためにプレーしたいと考えていた。だから16歳でモロッコU-20代表に招集されたときには即座に応じ、2016年10月、17歳のときにモロッコA代表にもデビューを飾った。左サイドバックとしての出場だったが、1ゴールを記録している。
2018年には19歳でワールドカップ・ロシア大会に出場。そして4年後の2022年カタール大会では、右サイドバックとして圧倒的な存在感を見せ、モロッコ代表を4位というアフリカ・サッカー始まって以来の快挙に導いた。モロッコはチーム全体に戦闘力のあるチームだったが、なかでもハキミが支配する右サイドは大きな推進力となった。