■守備陣を吸い寄せる「シュート力」
今年のUEFAチャンピオンズリーグ優勝のPSGでも、ハキミの存在感は目を引く。攻撃になるとアタッカーのようなポジションを取り、それによって相手守備陣を混乱させた。とくにインサイドFWのような位置に入ると、右足でも左足でも圧倒的なシュート力があるだけに、相手守備陣もハキミに吸い寄せられる。それによって周囲のアタッカーたちがフリーになる。
PSGはフランス・リーグアンの2024/25シーズンを圧倒的な成績で制覇した。当然のことながら、攻撃の主役はウスマヌ・デンベレ(21得点)、ブラッドリー・バルコラ(14得点)、ゴンサロ・ラモス(10得点)といったアタッカー陣だが、ハキミの攻撃面での貢献は彼らに劣らないものがあった。25試合に出場し、4得点(クラブで7位)、5アシスト(同3位)という記録以上に、ハキミの存在は大きかったのだ。25試合でシュート31本、うち「枠内」が12本という数字は、サイドバックとして特筆すべきものだ。