■あまりに「大きかった」実力差

 だが、同時に実力差があまりに大きかったのも事実だ。

 インテルは、2024/25シーズンのUEFAチャンピオンズリーグのファイナリストである。Jリーグでもけっして最強とは言い切れない浦和レッズとの差が大きくても、驚くべきことではなかった。

 もっとも、インテルのチーム状態は予想通り、それほど良いものではなかった。

 当然である。

 ヨーロッパのクラブは、長い1年間のシーズンを終えたばかりだ。しかも、インテルはヨーロッパのシーズンの最後を飾るCL決勝まで戦っていたのである。

 そして、インテルはそのファイナルでパリ・サンジェルマン相手に0対5という大敗を喫していた。

 フィジカル的な疲れに、大敗によるメンタル的なショックも重なった状態。そして、シーズン終了とともにシモーネ・インザーギ監督が退任し、しかも退任直後に、アル・ヒラル(サウジアラビア)監督就任が発表されるという後味の悪い退任だった。そして、クラブOBのクリスティアン・キブ監督が就任したばかりだった。

(2)へ続く
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