大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第166回「思いがけない拾いもの」(2)大笑いしたマンU監督と「キッチリ1時間」の後、「美しく輝いた」オールドトラフォードへの画像
マンチェスター・ユナイテッドのホーム、オールドトラフォードでは、まさかの展開が待っていた。©Y.Osumi

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム。今回のテーマは、世界に知られる前の「将軍」と「イレブン」との予期せぬ遭遇。

■「15分」の監督インタビューが…

 ロンドンのヒースロー空港に着いて、そのまま「サッカー教室」参加の少年たちとともにバスでシェフィールドへ。その夏のイングランドは好天続きで異常に気温が高く、車窓から見える野原の芝が一面黄色く枯れていたのが印象的だった。3日間は「サッカー教室」を取材し、「これでいいだろう」と、19日木曜日にいよいよマンチェスター通いが始まった。

 シェフィールド大学は町の中心からやや西に離れた丘の上にあり、大学前のバス停に立ったときが私の「旅」の始まりだった。マンチェスターまでは鉄道で約1時間。オールドトラフォードで土曜日の試合の取材チケットを受け取り、「監督にインタビューしたい」と話すと、「それなら監督に直接頼め」とあっさりしたものだった。

 このインタビューについては、この「連載」の第1回、2020年の4月に書いた。1時間の申し込みに対し、ドカティ監督は大笑いして「5分だけ」と言った。粘って「15分間」ということになったが、翌日インタビューを始めると、監督も対話を楽しみ、キッチリ1時間になった。これで本文4ページはOKである。

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