
サッカー日本代表のワールドカップ・アジア地区予選が終了した。すでに本大会出場を決めていたチームは、この6月シリーズを、どのように活用したのか。そこで得た輝かしい未来につながる「希望」と、北中米ワールドカップで勝ち上がるための「課題」は何か? ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くした!
■「必要なかった」ベンチ入り
――サッカー日本代表の国内組主体で臨む7月のE-1選手権の選考はどうなりそうでしょうか。
大住「今回呼ばれたJリーガーが国内にとどまっていれば、基本的には選ばれるんじゃないのかな。GKは大迫敬介と谷晃生がいるし、守備陣には高井幸大も鈴木淳之介もいて、攻撃なら細谷真大、佐藤龍之介…」
後藤「佐藤龍之介は、まだ2番手じゃないかな」
大住「俵積田晃太に長友佑都…。長友はインドネシア戦でもベンチ外だったね。アップのときにずっと、コーチのようにサブの選手のアップなどを腕組みしながら歩いて見ていたよ。あれだけ守備陣にケガが出たから、メンバーに入るかもしれないと思っていたんだけど」
後藤「何かのときのためにベンチに入れるかと思ったけど、今回、入れなかったってことは…」
大住「チームに緩みがあったら、ベンチに入れたと思う。だけど、この2試合とも緩んでないんだよ。インドネシア戦で一番驚いたのは後半の22分くらい、日本のCKの場面。
相手が何とかボールをかき出して、カウンターを狙ってピッチ中央にいた選手にボールを渡した。最初は日本の選手が2人くらいで対応したんだけど、あっという間に6人くらいが一斉に戻ってきて、相手を囲い込んでカウンターを許さなかった。あの緩みのなさを見て、長友をベンチに入れる必要性がなかったのかなと感じた。
ただ、長友自身はどう考えているのかな、と気になるよね。彼自身の気持ちが、どこまでもつのか。クラブでも常時試合に出ているわけじゃないけど、プロ選手として毎日一生懸命トレーニングしている。そういうことに対するリスペクトは必要だと思うんだよね」
後藤「本人の気持ちが落ちたら呼んでも意味ないしね」
大住「森保一監督は必要だと思って呼んでいるんだと思うし、長友も呼ばれる理由に納得しているんだろうけど、インドネシア戦でベンチ外になったのは彼1人だけだったからね」