■強すぎる「きれいな形」への意識

 U-17ワールドカップ出場権がかかったアジアカップ(サウジアラビア・タイフ)を戦ったU-17日本代表も、まったく同じようだった。初戦こそ、アラブ首長国連邦(UAE)に4-1と快勝した日本だったが、その後はベトナムと引き分け、オーストラリアに敗れ、準々決勝ではサウジアラビアにPK戦負けを喫して準々決勝敗退。U-17ワールドカップが、今年の大会から48チーム参加に拡大されたため、辛うじてワールドカップ出場権は手に入れたものの、こちらも1勝2分1敗という不本意な結果に終わった。

 一つの試合で、あるいは一つの大会でそういう現象が起こったとしても、それは、そのチーム特有の問題点と考えることもできるし、たまたま相手にうまく守られたからと解釈することもできる。

 だが、異なった2つのチーム(U-20日本代表とU-17日本代表)が、異なった2つの大会(各アジアカップ)で、異なった相手との試合で同じような現象を引き起こしたのだ。「日本サッカー界の共通の問題点」と考えるしかない。

 あれだけ、ボール保持でも上回り、相手陣内にボールを運びながら、なぜ決定機を作る回数が少ないのか……。

 要するに、日本チームにはパスを回してきれいな形で相手守備陣を崩し切ってゴールを奪おうという意識が強すぎるのだ。もっと強引にドリブル突破を試みるとか、無理なクロスを入れる、無理な位置からでもシュートを撃つといったことが必要なのではないか。

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