■GK西川の好配球が攻撃のきっかけに

 長崎のダブルボランチとCBの間で縦パスを受けた渡邉は、シュートモーションに入ることで対峙するCBの足を開かせ、その間を抜いてゴール左隅へ突き刺した。相手GKにはノーチャンスの一撃である。

 どこでパスを受けるのか、どうやってフィニッシュへ持ち込むのかについて、渡邉は明確な答えを持っていた。それが、開始6分での2点目につながったのである。渡邉はシーズン9得点で、得点ランキング首位に並んだ。

 水戸の攻勢は続く。10分、GK西川幸之介のロングフィードが、左MF津久井匠海につながる。一度は相手にカットされたが津久井が再び奪い返すと、ペナルティエリア内へ持ち出していく。左へ切り返して相手をかわしたボールがやや大きくなると、後方からサポートした渡邉が右足でゴール右スミへ流し込んだ。

 失点の多さが課題となっている長崎は、16節に4バックから3バックへ変更し、16節、17節とクリーンシートを記録した。前節は首位のジェフユナイテッド千葉をウノゼロで下していたのだが、水戸は長崎の3バックを開始早々に攻略してみせた。

 その一因が、GK西川のビルドアップへの関わりである。マイボール時はペナルティエリア外に立って組み立てに参加し、サイドバックやサイドハーフにパスを振り分けていくのだ。長崎がGKまでプレッシャーをかけてこないこともあり、西川はその後も前線へパスを供給していく。長崎の1トップ2シャドーの頭上を越え、ダブルボランチの手前へ落とすボールが、絶妙な配球となって長崎のプレスを無力化していくのである

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