【川崎・佐々木旭が見せる特大級の進化。ピッチを攻守で圧倒できる理由とは(2)】攻撃時の果敢なプレーの背景にある、主力とCBを経験した意味。「それを意図して使ってくれていたのかな」の画像
ACLE決勝で力強い前進を見せる川崎フロンターレの佐々木旭 撮影:中地拓也

 昨年の時点で特大級の成長を見せながらも、今年はさらに進化を見せる川崎フロンターレの佐々木旭。今年はここまでJ1リーグ戦では15試合1113分もの出場記録を誇り、ACLEでは6試合に出場。サウジアラビア・ジェッダでのファイナルズでは中2日の3連戦すべてに出場している。日本と海外を行き来しながら、これほどのプレータイムを残しているのだ。

 その過酷な日程も関係なく、ピッチの上で攻撃的な姿勢と守備面での奮闘を見せており、現在のチームに欠かせない一人と言っていい。そのうえ、当初は右サイドバックで出場を重ねていたものの、負傷者が出た影響でACLE決勝の途中からは左サイドバックで出場。もともとやっていたポジションとはいえ、そのポリバレント性でもチームを助ける。
 その攻守での進化について本人に話を聞いていると、出てきた要素は2つ。技術の向上とメンタル変化だった。メンタルについては昨年の飛躍時から繰り返し口にしてきたものだが、それについて特にきっかけだったことを聞いてみると、笑いながら、「鍛えられました、あの方に(笑)」と口にする。“あの方”とは、鬼木達前監督だ。
「3年かけてたくさん怒られて(笑)、たくさん指導を受けて、鍛えられた。それに、もうきつい時でも試合に出させてもらって」
 鬼木前監督からの信頼は厚かった。それほどの実力を試合中に見せていた。だからこそ、常にピッチに立ち続けた。その連続出場当時に話を聞いた際、「今までレギュラーを取ってこられた方々は本当にすごいなと感じています。これを乗り越えないと自分も本当の意味でのレギュラーになれないし、きつい中でももっとできるように突き詰めたい」と決意していたように、その中で得たものは大きかった。

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