
川崎フロンターレが浦和レッズを迎えた試合で、DFにもかかわらずゴールの予感を何度も漂わせた選手がいる。左サイドバックでフル出場した佐々木旭だ。
佐々木は昨季から止まらない進化を見せているが、それは今年も変わらない。攻守両面でさらなる成長を見せ続け、サイドバックの選手としては圧倒的な存在感を放っている。
たとえばこの試合、佐々木の放ったシュートは3本ある。前半に1本、後半に2本で、後半26分に放った強烈なシュートは西川周作に弾かれるも、ゴールを期待させるに十分過ぎるほどの威力とコースだった。相手選手と対峙しながらも、一瞬の隙と隙間を突いての強烈な一撃で、CKを獲得している。同33分に放ったシュートは枠を捉えることはできなかったものの、やはり、観客席を大いに沸かせる一発だった。
現在の佐々木の魅力は、最終ラインとしての守備力を見せながらも、その足技で相手を簡単に一枚はがせてしまうこと。それは最終ラインからの持ち出しやビルドアップを助けることにもなれば、高い位置で自身のシュートチャンスやクロス供給にもつながる。先述したシュートも、佐々木の力があればこそ創出された機会だった。
「けっこうキツいですけど、でも、あそこは自分が行かないといけないと思いますし、点を取るためには上がっていく必要がある」
シュート場面について尋ねれば、佐々木は自信を持ってこう答える。そして、「どんどん縦に仕掛けた方が相手はいやですし、実際にACLで対峙した相手もどんどん仕掛けてきたじゃないですかも。(ボールを)持ったら他を探さずにってくらい仕掛けてくる。対応していてそれが一番イいやだったので、やっぱり相手がイヤがることをするべき」とも話す。佐々木の言葉は、自信と熱を帯びていた。