
海外でのサッカー取材は、ノートとペンだけあれば、事足りるわけではない。ビザが必要な国もある。蹴球放浪家・後藤健生は、そのビザ取得から「世界のリアル」を学んでいる。
■面倒な手続きで「サッカー談義」
ビザ手続きは面倒なうえに、相手国係員の横柄な態度に怒りを感じることも多いのですが、中東諸国の大使館や領事館には良い印象を持っています。
1997年にはフランス・ワールドカップ予選を取材するのでイランやシリアといった、面倒そうな国にも行きました。
ビザ申請のために大使館員の「面接」というのがありました。
イラン大使館に行ったら、奥の部屋に案内されました。待っていると大使館員が出てきて、入国目的などの質問をします。しかし、目的はサッカーの試合なのです。大使館員ももちろんサッカー好き。しばらく、サッカー談義に花が咲きました。
そして、イランの名物のナッツやレーズンなどを出してくれて、「今の時期だと、どこを見たほうがいいだろう」と観光案内みたいな話もしてくれました。