■大関友翔が考えるゲームコントロール
そういう形を数多く作れれば、エリソン不在でも得点できる確率は上がりそうだ。2列目に陣取る家長や脇坂泰斗、伊藤達哉、瀬川らがタイミングよくゴール前に侵入し、仕留められれば、川崎が勝点3を奪えるメドは立つ。もちろん超過密日程でアタッカー陣も疲労困憊ということで、シュートの精度や迫力は低下しがちかもしれないが、こういう修羅場をくぐり抜けていかないと、2017~2021年までの5年間に4度のJ1タイトルをつかんだ黄金期のような強さは取り戻せない。
大関のようなアカデミー育ちの若い世代がそのけん引役になってくれれば、まさに理想的だろう。
「今回、自分は85分くらいから出たので、ゲームコントロールというよりは、1-1の中で点を取りにいくことを考えていましたし、点を取ってからは守備のところでなるべくリスクをかけずにサイドに持っていくことを意識した。それがゲームコントロールだったのかなと思います。
ただ、最終的には失点してしまった。『あそこでどうしておけばよかった』というのは全部たらればになってしまうので、ああならないような練習をしなきゃいけない。今日は勝点3に貢献できなかったのは確かなので、まだまだですね」
大関は試合後、悔しさをにじませていたが、彼がかつての中村憲剛(川崎FRO)や欧州へ羽ばたいた守田英正(スポルティング・リスボン)、田中碧(リーズ)といった名手たちのような存在感と結果を示せるようになれば、もっと攻撃に厚みも出てくるはずだ。