大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第163回「ヴァンフォーレ甲府は三角形にすべし」(2) モチーフは「名将」の旗印、還暦クラブが成し遂げた「FC東京」に次いでの偉業と「ACL史上初」の快挙の画像
ACL史上初の偉業を成し遂げたヴァンフォーレ甲府。まさに「J2の誇り」となる快挙だった。撮影/原壮史(Sony α‐1使用)

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は「ピッチの風見鶏」について。

■旗は「Jリーグ指定」のもの

 Jリーグでは、「スタジアム基準」という規則を設けてさまざまな施設や用具の規定をしている。その「Ⅱの4」に「コーナーフラッグ」という項目があり、「Jリーグ指定のものであること」とある。

「コーナーフラッグ」というと、旗だけでなく、それを支える「コーナーフラッグポスト(いわゆる旗竿)」も含めて語られることもあるが、Jリーグ規定では「フラッグポスト」については「Ⅱの5」に分けて規定があるので、「Ⅱの4」は明らかに「旗」のことで、実際には白地にJリーグのマークをプリントした四角形のものを、全試合会場で使用している。

 だが、話の持っていき方次第では、白地でJリーグマークをつけたまま、三角形にすることは可能なのではないだろうか。であれば、ヴァンフォーレ甲府ほど、その先鞭(せんべん)をつけるのにふさわしいクラブはないと、私は確信するのである。

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