後藤健生の「蹴球放浪記」第263回「続・ビールに関するサプライズ」の巻(2)EUROで堪能した「消費量最高の国」の主婦たちとの夢の生活、ドイツW杯で騙された「大聖堂前広場」の美味しいフリーの画像
2008年EURO決勝の会場はウィーンだったが、休日はブラティスラバを満喫した。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は前回、世界のサッカーとビールについて大いに語った。今回は、「まだまだ飲み足りない」じゃなくて、「語り足りない」ということで、その続編をお届けする!

■買い物帰りの主婦たちと「昼間」から

 さて、もう一つ、ビールの本場で驚いたのは買い物帰りの主婦たちが、買い物かごをテーブルの上に置いたまま、大きなジョッキでビールを楽しんでいる光景。場所は、スロバキアの首都ブラティスラバでした。

 2008年のEURO、ヨーロッパ選手権。スペインが主要国際大会で初めて優勝を飾った大会です。

 スイスとオーストリアの共同開催で行われたこの大会。毎日のようにスイスとオーストリアを往復しながら試合を追っていましたが、苦労したのが物価高。もともとスイスもオーストリアもヨーロッパの中でも物価が高い地域ですが、2008年には円安・ユーロ高に見舞われ、1ユーロ=160円台になっていました。

 レストランで食事をしたら、とても2000円では収まりません。駅のスタンドなんかでケバブを買って立ち食い……。そんな食生活を送っていました。もちろん、ホテル代もかさみます。

 そこで、ウィーンで試合があった日には隣国スロバキアの首都ブラティスラバにホテルを取ったのです。ウィーンからは電車で40分くらいです。そして、そこでは物価がまるで違ったのです。レストランでゆっくり食事をして、ワインやビールを飲む……。夢のような生活でした。

 そして、広場で暖かい日差しを浴びながらゆっくりビールを飲んでいると、周囲のテーブルは買い物帰りの主婦たちでいっぱいだったのでした。

 世界でもビール消費量が最高の国のひとつというのも、うなずけました。

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