
サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、口をポカンと開けて見送るしかない、「特大の一撃」について。
■「とんでもない」ゴール
イングランドの6部に当たる「ナショナル・リーグ・サウス」で、とんでもないロングシュートが決まり、話題になっている。
3月29日土曜日に行われた「ホーンチャーチvsウェストン=スーパー=メア」。ビジターチームが3-2とリードして迎えた後半アディショナルタイムに、それは生まれた。ホームのホーンチャーチが左CKを得た。最後のチャンス。同点ゴールを狙ってGKも上がってくる。しかし、キックは跳ね返され、ペナルティースポットあたりでウェストンのFWルーク・コウルソンが拾う。
完全にコントロールできたわけではなかったが、相手も近くにいる。コウルソンは小さくバウンドしたボールをそのまま右足インステップでとらえ、鋭く振り抜いた。「クリア」の意識だったのかもしれない。ボールは相手陣のセンターサークル内に落ち、大きくバウンドした。そして3バウンド目でペナルティーエリアに入り、さらに4バウンドすると、小さな8バウンド目がホーンチャーチのゴール内だった。ウェストン=スーパー=メアは4-2で勝利をつかんだ。