
捉え方がさまざまある試合だった。勝点2を落としたとも言えるし、勝点1を掴んだとも言えるJ1リーグ第10節の清水エルパルスー川崎フロンターレの一戦。
清水が先制するも川崎が追いついての引き分けだったが、シュート数は12対7で川崎が上回っていた。そして互いにチャンスはがあった中で、その数でも川崎の方が上回っていただろう。一方で、川崎は今季ここまで見せてきた戦い方とはやや違っているように見えた。恐らく、その原因は疲労で、意外なトラップミスやポジショニングなど、いつもとは違った姿も見られた。
今季ここまで多くの試合をこなしているだけでなく、試合間隔は常に中2日や中3日。その中には海外アウェイや重要なゲームも並んでおり、疲れが溜まっているのは間違いない。
それでも、しっかりと見せるものは見せた。三浦颯太はオーバーラップをしての貴重なアシストを決め、脇坂泰斗は司令塔として君臨し、エリソンはこれまで以上のボールの収めを表現した。その中でどうしても目を引かれたのがDF佐々木旭とDF高井幸大だった。
佐々木はこの2年ほどでたくましく成長して、最終ラインで欠かせない存在に。かつては「迷いがある」と口にしていた時期もあった中で、連戦の中でも安定感を落とさずにプレーしている。
清水戦後に3試合連続での引き分けについて聞けば、「負けなかったことはすごくプラスですけど、相手は10人になりましたし、決定機もウチの方が多かったと思うのですごいもったいない3試合だなと思います。そこを勝ち切れるチームになれれば、順位も上がっていくと思いますし、そういった勝負強いチームになれればいい」としっかりと前を向いて責任感を見せた。