■見過ごされた「18歳の塔」の危険性
そうした状況でも、スコアレスのまま時間が経過したのであればまだしも、日本は35分には失点を喫してしまう。
ちょうど、籾木結花のPKが防がれた直後だった。日本のハイプレスをかわされて、日本陣内深くまでボールを運ばれて、コロンビア・ボールのスローインとなった。そして、ここでプレーが止まって、ちょっとした間があいた。そうしたことが重なって日本の選手たちの集中が途切れたのだろう。右コーナー付近で回された後、ロレナ・ベドジャが入れたクロスを、トーレスに決められてしまった。
トーレスは18歳の若い選手だが、172センチという長身を持っている(「トーレ」はスペイン語で「塔」)。警戒をしておくべきだったろう。
こうしてリードを奪われたことによって「日本の攻撃に火が付くか」と期待したのだが、結局、その後もボールは持っているものの、有効に決定機が作れないというもどかしい展開が続いた。
ピッチ内の選手たちも、ベンチからもそうした展開を最後まで変えることができなかったのだ。