■「だいたい20位以内くらいが目標かな」
筆者は昨年秋までドイツで10年以上暮らしたが、ドイツ人アスリートに話を聞いても大きな目標は口にしなかったことを思い出した。
あるオリンピック選手は「だいたい20位以内くらいが目標かな。自分の実力と立ち位置はわかるものだよ」と微妙な順位を堂々と言い、サッカーの下部リーグでプレーする選手たちも「自分は何部くらいの実力だと思うけど、仕事とプライベートの時間を取ることを考えたら何部かな」などと、割と身の丈にあったことを口にする。
4部でプレーしながらブンデスリーガ(1部)を目指すなどという選手には、日本人以外で会ったことがない。
かつての階級社会のなごりで、大きなステップアップは考えられないんだよ、などと説明してくる人もいたが、その真偽はさておき、日本人と大きく違うとは感じられた。
それはさておき、W杯の切符を手にした森保ジャパンは、サウジアラビアにスコアレスドローに終わった。
カタールW杯のコスタリカ戦以来の無得点ではあったが、切符のかかった試合ほどの緊張感を維持できないのは自然なことであろうとも思えた。
その試合後の会見で森保監督は「選手たちのワールドカップ優勝へ本気の思いを感じさせてもらった」と、あらためて口にしている。
森保監督の場合は、それは本音でもあるのは前提としても、あえて優勝と口にし続けることで言葉の力も借りて周囲をその気にさせ、結果に近づこうとする思惑というか、気概に近いものも感じられる。
そんななりふり構わない姿勢に、好感を抱く私もまた日本人らしいのだろうなと思っている。