後藤健生の「蹴球放浪記」第258回「エスカレーターの片側乗りをロンドンで初体験」の巻(2)日本では「まだ浸透していない」欧州流エレベーター内マナーの画像
アーセナル対マンチェスター・シティのチケット。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、サッカーを通じて文化の見分を広めている。今では一般的になっているが、かつて日本に存在しなかった社会のルールを、イングランドのスタジアム最寄り駅で「発見」した!

■イタリアでは「お構いなし」

 さて、ロンドンに滞在した後、ツアーはイタリアに向かい、ローマ、フィレンツェ、ミラノを観光。その後、スイス経由でフランスに入り、パリ市内観光やロワール河の古城めぐりが付いていました。

 ロンドンでのエスカレーターの乗り方に感心したので、僕はイタリアやフランスではどうなっているか注意して見ていました。

 すると、たしかに片側に立っている場所もありましたが、このルールが都市の隅々まで浸透しているようではなさそうでした。とくに、イタリアなどはそんなことにはお構いなしのように見えました。「都市生活」という意味では、古代ローマ以来の伝統を誇るローマはロンドンやパリよりずっと歴史が長いはずでしたが、そうした習慣は根付いていないようでした(まあ、古代ローマにはエスカレーターはなかったわけですが……)。

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