
サッカー日本代表が3月25日、2026FIFAワールドカップ・アジア最終予選のサウジアラビア代表戦に臨んだ。0−0の引き分けに終わった中、ビッグチャンスを生み出した20歳のDF高井幸大の“縦パス”に注目が集まった。
立ち上がりから相手が自陣に引いてスペースがない状況が続いた中で迎えた前半9分だった。DFラインからのビルドアップで、中央の板倉滉からのショートパスを受けた右センターバックの高井が前を向くと、相手のプレスがかかる中でも慌てない。ボールを保持した状態でしっかりと前線の状況を観察すると、サウジアラビアのコンパクトな守備網の間を縫うように、ライン間に入ったMF田中碧の足元に鋭い縦パスをピタリと通して見せた。
高井からのパスで攻撃のスイッチが入った日本は、田中からボックス内右へパスが送られ、そこに走り込んだFW前田大然が右足で強烈なシュート。惜しくも右角ポストに当たってゴールならずも、この日の最大の決定機と言えるシーンにスタジアムは大いに沸いた。
すでに川崎で守備の要となっている高井は、この日がA代表初先発だったが、それを全く感じさせない落ち着き払ったプレーで90分フル出場。192cmの高さだけでなく、地上戦でもほぼ完璧な守備対応を披露して無失点に貢献した。