
最終予選3試合を残して、世界最速の予選突破を決めた”森保ジャパン”はバーレーン戦から中3日のサウジアラビア戦で、スタメン6人を入れ替えた。その中でも右の菅原由勢と左の中村敬斗というウイングバックはチームの新たなオプションとしても注目に値した。
右サイドバックを本職とする菅原と左ウイングを本職とする中村という非対称の組み合わせで、どういう関係性を見せるのか興味深かったが、予想外だったのがサウジアラビアの戦い方だ。
最終予選の途中に再任したエルヴェ・ルナール監督は5ー4ー1のコンパクトなブロックで中央を閉めてきた。菅原由勢は「タイトにブロックを引いてくるような相手というのはどれだけ質を伴ってる選手がいても、こじ開けるのは難しいと思った」と振り返るが、試合前には左の中村をなるべく高く押し上げるために、菅原がサイドバック気味に引いたポジションを取るプランも伝えられていたという。
しかし、いざ試合が始まると「相手があまりにも引いてきたので、僕があそこの位置に落ちる必要が全くなかった」という菅原は左の中村とほぼ変わらない高さまでポジションを上げて、二人で左右に開いたポジションを取ることで、外側からクロスなどでチャンスを作ると同時に、5バックを広げて1トップの前田大然や右シャドーの久保建英、あるいはボランチの田中碧が中央スペースを使えるように意識しながらプレーした。