【2025年J2「第5節」水戸ホーリーホックVSベガルタ仙台「徹底分析」】仙台は水戸のハイプレスに対抗する2トップが躍動もカウンターの“脅威”【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
ハイプレスの水戸を相手にベガルタ仙台・森山佳郎監督が取った戦略は…  撮影/中地拓也

■水戸のハイプレスを仙台はどう回避する?

【3月16日 14時キックオフ 水戸 2ー2 仙台 ケーズデンキスタジアム水戸】

 予測できない試合が、J2は多い。とりわけ今シーズンの序盤戦は、結果が読みにくい試合ばかりと言っていい。

 そんな“戦国J2”の第5節から、3月16日に開催された11位の水戸ホーリーホック対9位のベガルタ仙台の一戦を取り上げる。

 水戸はここまで1勝2分1敗で、4得点4失点となっている。ただ、3失点はジュビロ磐田との開幕戦で喫したものだ。2節ではJ1昇格候補のモンテディオ山形を、1対0で下している。3節の愛媛FC戦と4節の大分トリニータ戦は引分けに終わったが、試合内容でははっきりと優位に立っていた。戦いぶりは悪くない。

 4-4-2のシステムからハイプレスを仕掛け、ボール保持率、パス本数、チャンスクリエイトなどのデータで、リーグのトップ5入りしている(4節終了時点)。水戸のホームへ乗り込んだ仙台からすれば、相手のハイプレスをいかに引っ繰り返せるかが、この試合の大きなテーマだっただろう。

 水戸のハイプレスを避けるために、仙台はDFラインから前線へボールを入れていった。ここで、2トップが存在感を発揮する。

 ブラジル人FWエロンはフィジカルの強さを、FW荒木駿太はスピードを生かして、相手CBとの競り合いを制していく。20分には左サイドのスペースへのパスを、エロンが相手CBの前へ身体を入れて収め、中央へクロスを入れる。MF郷家友太に決定機を提供した。

 この試合は4-4-2のミラーゲームで、マッチアップする選手にいかに勝ち切るかも大切になる。エロンと荒木の2トップが相手CBに対して優位性を発揮することで、前半の仙台は狙いとするサッカーをすることができていた。

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