■攻勢の仙台が連続失点でビハインドを背負い…

 後半の仙台は風上に立ち、開始早々に決定機をつかむ。荒木が右サイドで縦パスを収め、そこからボールをつないでMF武田英寿が際どい一撃を浴びせた。エロンと荒木の存在が相手DFラインにプレッシャーを与え、DFラインと中盤の間にスペースが生まれる効果もあった。

 ところが、先にスコアを動かしたのは仙台ではないのである。56分、水戸のゴールキックに対して前から規制をかけていく。センターサークル付近まで下がった水戸FW多田圭佑に、CB菅田真啓がついていく。パスカットできればショートカウンターへ持ち込めるが、多田にワンタッチでさばかれ、多田と2トップを組むFW渡邉新太に前を向いてボールを受けられてしまう。

 菅田だけでなく右SB真瀬拓海も、前からハメようとして敵陣へ出ている。DFラインはCB井上詩音と左SB石尾陸登のふたりだけで、石尾が中へ絞った瞬間に右サイドのスペースへパスを通された。 ここへ、水戸の右SB飯田貴敬が出てきた。新加入の30歳に、ニア上へ豪快に蹴り込まれたのだった。

 水戸のプレス回避を実現した連動性、さらには飯田のフィニッシュが見事だったのは間違いない。しかし、相手のゴールキックに対して前からチャレンジし、引っ繰り返されてしまった。仙台にとっては悔しい失点である。

 0対1となってから4分後、仙台は2失点目を喫する。敵陣左サイドからのロングスローを跳ね返され、水戸の渡邉にフリーで持ち出される。カウンターを発動された。ボールをさばいた渡邉にゴール前へ走り込まれ、ヘディングシュートを決められた。

 これもまた、水戸のカウンターをほめるべき場面である。しかし、前半の攻勢から一転して、仙台は2点のビハインドを背負うことになったのだった。

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