U-17W杯で活躍した日本代表18歳が躍動も「起きた」番狂わせ、求めたいJリーグの「前座試合」開催【最新試合の数字が示す「なでしこジャパン」と「WEリーグ」の大問題】(3)の画像
現在、イングランドで活躍する長谷川唯のように、日テレ・東京ベレーザには、将来が楽しみな選手がたくさんいる。撮影/渡辺航滋(Sony α-1使用)

 日本初の女子プロリーグであるWEリーグが再開され、先週末も各地で試合が行われた。熱戦が繰り広げられる一方で、リーグの「問題点」も浮かんできた。最新試合の「数字」を基に、サッカージャーナリスト後藤健生がWEリーグの未来のために、「やるべきこと」を提言する!

■「難しくなった」パス・サッカー

 しばらく前までなら、「3強」は個人能力の差だけで勝利することができた。だから、「3強」に対して引き分けで終われば、他のチームはそれなりに満足感を味わえたことだろう。だが、今や「3強」を脅かすクラブに成長したサンフレッチェ広島レジーナの選手たちのコメントを聞くと「勝てなかった悔しさ」が前面に出ていた。

 僕は、この第13節では雪中戦となった日テレ・東京ベレーザ対ノジマステラ神奈川相模原の試合を観戦した。

 第12節終了時点でベレーザは首位。ノジマステラは下から2番目の11位という試合だった。

 だが、試合は点の取り合いとなり、ベレーザが2度先行するものの、ノジマステラが2度とも追いついて2対2の引き分けに終わった。

 ベレーザは、松田岳夫監督就任以来、長いパスを使った速い攻撃に取り組んでいるが、伝統的に技術力を生かしてパスを回して展開するサッカーが持ち味だ。

 だが、この日のピッチ・コンディションのおかげで、それが難しくなってしまった。ピッチに足を取られてボール・コントロールにミスが出たり、スリッピーなグラウンドのおかげでパスが思った以上に伸びてしまったり、要するにパス・サッカーが難しくなってしまったのだ。

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