
日本初の女子プロリーグであるWEリーグが再開され、先週末も各地で試合が行われた。熱戦が繰り広げられる一方で、リーグの「問題点」も浮かんできた。最新試合の「数字」を基に、サッカージャーナリスト後藤健生がWEリーグの未来のために、「やるべきこと」を提言する!
■「難しくなった」パス・サッカー
しばらく前までなら、「3強」は個人能力の差だけで勝利することができた。だから、「3強」に対して引き分けで終われば、他のチームはそれなりに満足感を味わえたことだろう。だが、今や「3強」を脅かすクラブに成長したサンフレッチェ広島レジーナの選手たちのコメントを聞くと「勝てなかった悔しさ」が前面に出ていた。
僕は、この第13節では雪中戦となった日テレ・東京ベレーザ対ノジマステラ神奈川相模原の試合を観戦した。
第12節終了時点でベレーザは首位。ノジマステラは下から2番目の11位という試合だった。
だが、試合は点の取り合いとなり、ベレーザが2度先行するものの、ノジマステラが2度とも追いついて2対2の引き分けに終わった。
ベレーザは、松田岳夫監督就任以来、長いパスを使った速い攻撃に取り組んでいるが、伝統的に技術力を生かしてパスを回して展開するサッカーが持ち味だ。
だが、この日のピッチ・コンディションのおかげで、それが難しくなってしまった。ピッチに足を取られてボール・コントロールにミスが出たり、スリッピーなグラウンドのおかげでパスが思った以上に伸びてしまったり、要するにパス・サッカーが難しくなってしまったのだ。