後藤健生の「蹴球放浪記」第255回「南米奥地での世界遺産巡り」の巻(2)カード6枚が飛び交う「南米の名門」同士の激闘、決戦の地で呼び起こされた「初アルゼンチン」の記憶の画像
「トルネオ・デ・インビエルノ(冬の大会)」のとてもシンプルなADカード。提供/後藤健生

 サッカーを追い求めて、世界中を旅してきた蹴球放浪家・後藤健生。サッカーどころである南米には、数々の名勝負とともに刻まれた思い出がある。サッカー日本代表がつないだ「世界遺産」と「ワールドカップ」の記憶とは?

■ボカ・ジュニアーズの「冬の大会」

 パラグアイとアルゼンチンの国境を流れるのはパラナ河。上流には有名なイグアスの滝があります。そして、パラナ河はさらに南流し、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの辺りでは「ラ・プラタ河」と名を変えて大西洋に注ぎます。

 アスンシオンからバスで国境の街エンカルナシオンまで行って、パラナ河にかかる橋を渡ってアルゼンチンに入国しました。

 ポサーダスに着いてみると、そこで「トルネオ・デ・インビエルノ(冬の大会)」というプレシーズン大会があり、ボカ・ジュニアーズとパラグアイのオリンピアとの試合があることが分かりました。南米大陸の7月は、まさに「冬」の真っ盛りでした。もっとも、ポサーダスは南緯27度と緯度が低いのでブエノスアイレスほど寒くはありませんでしたが……。

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