
今回のtotoはJ1第5節の8試合と、J2第4節の5試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
■興味深い「上位対決」
シーズンはまだ始まったばかりだが、早くも興味深い上位対決が実現する。首位の柏レイソルと、4位の鹿島アントラーズが激突するのだ。
開幕戦を落とした鹿島だが、第2節で東京ヴェルディから5点を奪うと、そこから3連勝して見せた。新たに就任した鬼木達監督の手腕が発揮されたようだが、柏もリカルド・ロドリゲス新監督の下で無敗をキープ。そして今回、柏の「師弟コンビ」が鹿島の前に立ちはだかると予想する。
柏で現在、最多得点を挙げているのは垣田裕暉だ。とはいっても、まだ2ゴールではあるのだが、そこには大きな意味がある。
垣田は昨季途中に、鹿島から柏に加わった。これまで鹿島以外に3クラブを渡り歩いてきた垣田だったが、ついに完全移籍で鹿島を離れる決断をしたのだ。
ただし、すぐに事態が好転したわけではない。シーズン途中の加入の難しさもあっただろう。昨季の柏では、リーグ戦13試合(うち先発は3試合)出場1得点という結果に終わった。
その垣田が、ついに反撃の狼煙を上げた。開幕戦から2試合連続で交代出場だったが、第3節から先発出場。しかも、その期待に応えるかのように、前節まで2試合連続ゴールを決めている。
注目すべきはロドリゲス監督とのコンビだ。2人は2020年、当時J2の徳島ヴォルティスで共闘している。そして、そのシーズンの垣田は、J2とはいえ、キャリアハイの17ゴールを記録しているのだ。
今季第3節は、いきなりのウィークデーの開催となり、過密日程で先発を多少なりとも入れ替えるチームが少なくなかった。そうして先発の機会を得たのが垣田であり、この背番号18の2試合連続得点とともに、柏は連勝を手に入れた。
柏はプレシーズンから完成度も高く、早くも序盤からチーム内競争も激化している。下部組織時代から育ったクラブへの「恩返し」を狙う垣田らの勢いが、鹿島を飲み込むことになるだろう。