【岡山戦で初勝利の浦和レッズ。攻守両面で機能した理由とは(1)】ハイプレスを機能させた金子拓郎とマテウス・サヴィオのウイング化……両立させた「選手の役割の明確化」と「臨機応変さ」の画像
浦和レッズのマテウス・サヴィオ、金子拓郎 撮影:中地拓也

 J1第5節、浦和レッズはホームでファジアーノ岡山と対戦。後半立ち上がりにFWチアゴ・サンタナがあげたゴールを守り切り、1ー0の勝利を飾った。

 終盤にあわや同点という危険なシーンを作られたが、90分を通してれば攻守ともに良い内容で、今シーズン初勝利にふさわしいゲームだった。
 0ー2と敗れた前節の柏レイソル戦では特に、3バックの相手に対して前からの守備がハマらない問題が生じ、しかも全体がズレたまま続けてしまったことが、前半の2失点の原因になるとともに、柏に主導権を握られる要因になっていた。
「柏戦の2失点目はハイプレスがうまくはまらずに破られて、サイドチェンジでボールを出されたときのリアクションがよくなかった」と振り返ったマチェイ・スコルジャ監督は、岡山戦でも前からボールを奪いに行く基本スタイルを継続しながら、いかに相手をハメていくか、それでもハマらない時にどう判断するかを、関根貴大キャプテンを中心とした選手たちに伝えたようだ。
 浦和は4ー2ー3ー1を基本システムとしているが、守備では4ー4ー2を作りながら相手のビルドアップに応じて、スライドしていく方式がスタンダードとしてある。
 しかし、3バックの相手に対してそれをやろうとすると、サイドハーフの金子拓郎マテウス・サヴィオがサイドと前線の守備を幅広くこなさなければならず、スライドが間に合わないまま中盤から落ちてくる選手をフリーにしてしまったり、サイドチェンジからそのまま縦に運ばれるなど、中途半端なハイプレスが後手の守備につながってしまう悪循環だった。

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