■選手の役割を明確に

 一方で、岡山戦はサイドハーフの二人を前に押し出して4ー3ー3にして、チアゴ・サンタナに金子、マテウス・サヴィオが加わる形で、3バックに3トップを当てる形にしながら、左右のウイングバックをサイドバックの関根と荻原拓也がチェックに行った。
 可変性の高い相手の中盤に対してはシャドーの松本泰志と2ボランチのサミュエル・グスタフソン、安居海渡が柔軟にポジションを調整。完全なマンツーマンではないが、その中でも一人ひとりが基本的に見る相手をはっきりさせることで、選手の役割が明確になったことは守備がうまく機能した要因だろう。
 そうした形で前から守備がはまるシーンは多かったが、やはり攻守の切り替わりやリスタート、相手のポジションチェンジによってハマらない局面や時間帯はどうしても出てくる。その時に、無理にプレスを続けるのではなく、本来の4ー4ー2で一度セットして、耐えながらマイボールにしたり、相手が下げたところでハメ直していく臨機応変さが見られた。岡山は早めに長いボールを入れてくるシーンも多かったが、そこはセンターバックのダニーロ・ボザとマリウス・ホイブラーテンが跳ね返し、ボランチがセカンドボールを回収した。

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